【高校】 平成30年度 高校卒業式が挙行されました

2019/03/16

3月16日、平成30年度佼成学園高等学校 卒業式が挙行されました。
226名のKOSEI BOYSが卒業証書を手に、本校を旅立っていきました。
生徒ならびに保護者の皆様、ご卒業誠におめでとうございます。
それぞれのステージで活躍されることをお祈りしております!

式中、卒業生代表による卒業の言葉では、中学からの6年間、および高校3年間の思い出を振り返るとともに、これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちや卒業を迎えるにあたっての心境、後輩たちへのメッセージを語ってくれました。全文をご紹介いたします。

◆ 卒業の言葉

厳しい冬の寒さも和らぎ、暖かい春の日差しが降り注ぐ今日、私たち226名は佼成学園高等学校を卒業します。
本日はこのような式を開いて頂き、本当にありがとうございます。
六年前の春、初めて着る少し大きめの制服と電車通学を経て、私は佼成学園の門をくぐりました。今までとは違う初めての環境、男だらけの学校生活、新しい仲間たち、全てが新鮮に感じると同時に期待と不安で胸がいっぱいでした。しかし、そんな気持ちは入学式での吹奏楽部の演奏でかき消されました。初めて入る壮大な法輪閣いっぱいに響き渡った力強い音色がこれからの私たちの熱い学校生活を表しているようにも感じられました。
新しい教室に少しずつ慣れはじめ、体育祭や文化祭など多くの行事に全力を注ぐ中で、私たちは自分達よりも力強く、熱くひたむきに行事や委員会などに打ち込み、学校を牽引する高校生の姿を見ました。いつか自分たちがそうなると分かっていても、当時はその背中の大きさにただ憧れるだけでした。

あっという間に三年が経ち、私たちは多くの新しい仲間たちを迎え、憧れの高校生となりました。初めこそ六カ年生と三カ年生との見えない壁を感じましたが、一か月も経てば同じ佼成学園の仲間。佼成男児でした。広い廊下を走り回り、廊下中に響き渡るほど大声で歌い、体育の後の汗臭さなど、新たな仲間たちがより一層私たちの学校生活を濃くしてくれました。
また、近年始まった佼成学園の新たな試み、iPadを導入したICT教育など学校自体が新たに歩み始めているのを肌で感じました。iPadは授業の仕方から宿題の提出、休み時間の過ごし方に至るまで多くの変化をもたらしましたが、私たちの根底に流れるものは変わりませんでした。それは男子校だからこその泥臭さ。お互いの気持ちをぶつけ合い、皆で切磋琢磨し、成長していけること。どんな行事にも情熱を注ぎ、全力で挑む執念。強く、正しく、かっこいい姿を再確認しました。

そんな私の高校生活は部活一色でした。高校三年生になり皆が受験勉強へとスイッチを切り替えていく中、私は部活動で最後のシーズンに突入していました。私が所属するアメリカンフットボール部は二年連続日本一を達成していたチームでした。私が高校一年生の時、創部42年にして初めて日本一を成し遂げました。私はその時、二年後にも必ずこの舞台に帰ってこようと固く誓いました。翌年も日本一になったことで私が高校三年になるころには三連覇を目指すチームへと進化していました。
そのような中で私は主将になりました。初めこそ実感がなかったものの、春の大会を経ていく中で自分自身が背負っている使命、そして期待の大きさを感じました。受験との両立が出来ず何度もプレッシャーに押しつぶされそうにもなりました。ですが、そんな時でも学校に行き、教室に入れば自然と笑顔になれました。クラスメイトとの何気ない会話が、帰り道での友達のちょっとした気遣いが、私にとってはかけがえのない活力でした。「頑張れよ」この一言で何度も勇気づけられました。

シーズンを通して一番心に残っている試合は、12/24に大阪で行われたクリスマスボウルです。関西代表のチーム相手に序盤からペースを作れず、気づけば21点差。なんとか食らいつくも試合終了十分前まで19点差でした。しかし、そこから一気に25点を取り大逆転勝利を収めることが出来ました。一部ではこれが「イブの奇跡」と呼ばれました。ですが私はこれが決して偶然に起こったものだとは思いません。今まで練習してきたこと、仲間を信じ最後まで諦めずにプレーし続けてきたこと。そのすべてが軌跡となり、積み重なった結果だと思い
ます。
しかし、これらの結果が決して自分たちの力だけではないことを忘れてはいけません。当日には多くの仲間たちがはるばる大阪まで応援に駆けつけてくれました。仲間とは決して同級生だけのことではありません。吹奏楽部が野球部がそして多くの後輩たちが応援し、声を送ってくれました。この応援がどれだけ心強かったかは言うまでもありません。
試合が終わり学校に行くとある知らせを聞きました。それは受験勉強で応援に来られなかった同級生たちが学校での勉強途中に私たちの試合の速報を聞き、応援してくれていたことです。私はここでチーム名の由来を思い出しました。チーム名は「ロータス」。意味は「蓮」です。蓮は泥を多く含む場所によく見られ、根は見えない泥の中でつながっています。私たち自身も深いチームワークで繋がれるようにという思いが込められていました。しかし、私は繋がっているのがチームメイトだけではないと感じました。スタンドで応援してくれた仲間、離れていても声を届けてくれた仲間、皆が繋がり学校全体が団結できました。それこそが私たち佼成学園であり、決勝という場で日本一という大きな花を咲かせることができたのです。

また、六年間のフットボール生活で学んだ事があります。それはいろいろな感謝です。当たり前のことかもしれません。聞き飽きてしまった人もいるでしょう。ですがよくよく考えてみてください。試合前、試合後に相手とあいさつをするのはなぜでしょうか。それは、試合の中では倒すべき相手であっても、視点を変え大きな枠で見れば、同じ競技をする仲間です。また、相手がいなければ試合も出来ません。試合が円滑に進むのは審判の方がいるからです。会場があるのは、運営してくれる方がいるからです。私はこういった普段目を向けない相手にこそ、敬意を払い、感謝の心を持つべきであると学びました。

気づけばこんなにたくさんのことを学び、経験し、成長してこれたのはいつも誰かの支えがあったからです。まだまだ未熟で、時に生意気だった自分たちをここまで成長させてくれた先生方。いつでも親身に相談に乗って下さり、進路で迷ったとき進むべき道が分からなくなってしまった時は必ず手を差し伸べ導いてくれました。
また、普段学校が綺麗なのはなぜでしょうか。毎日が円滑に進むのはなぜでしょうか。それは私たちが知らないところで、見ていないところで事務の方が清掃の方が、その他にも沢山の方が動いてくれているからです。
当たり前が実は当たり前ではない。常にだれかが何かしてくれています。私たちの学校生活がこのように素晴らしいものになれたのは、数えきれないほど多くの方に支えられてきたからです。そこにはもちろん家族の存在もあります。両親はギリギリの状態であった私を常に支えてくれました。毎朝必ず送り出してくれ、見守ってくれました。常に味方であってくれました。そんな家族がいたからこそ私はここまで成長でき今こうしてこの場に立っていられます。この場を借りてお礼を言わせてください。本当にありがとうございました。
私はこういった支えてくれた全ての方々に勝利という形で恩返し出来たことが、一番うれしく誇らしかったです。

在校生の皆さん。今までこんな自分たちについてきてくれてありがとうございました。関われた時間は限られたものではありましたが少しでも憧れる存在になれたでしょうか。
今度は君たちが主役です。まだ、一年あるいは二年もあると思ってはいませんか。楽しい時間、充実した時はあっという間に過ぎていくものです。だからこそ残された時間をフルに使って下さい。どのように過ごすか、何をするかは自分次第です。逆に言えばなんだってできます。悔いのないよう精一杯やり切ってみてください。
大きな目標の前で何度も壁にぶつかるかもしれません。その度に逃げ出したくなったり投げ出したりしたくなるかもしれません。そんな時は一度立ち止まってみてください。周りには助けてくれる仲間がたくさんいます。支えてくれる人もいます。一呼吸おいてまた歩み始めてほしいです。真の楽しみは苦しみの中にこそあるという言葉があります。流した汗は決して裏切りません。最後までやり切ることが出来れば、今までとは違う景色が見えてくるはずです。
私は去年日本一になることができました。ですが、一つの世界で常に自分の望み通りの結果になり続けることは容易ではありません。むしろそうならないことの方が多いです。結果は自然とついてくるものであり、大切なのはそこに至るまでに何をしたか。そこまでの道のりの中で自分の道を歩めたかです。意志あるところに必ず道は開けます。是非、自分を信じて歩み続けてほしいです。

沖縄の修学旅行で日本の悲惨な歴史や今抱える問題を学びました。この他にもまだまだたくさんの問題があります。やるせないニュースが流れてくる一方で、2020年にはオリンピックも控え、新たな時代に突入しようとしている節目でもあります。
そんな中で生まれも育ちもバラバラな私たちが、この佼成学園という場所に集いました。毎日同じ授業を受け、同じ時を過ごし、最高の青春をしました。
もうあんなに当たり前だった教室へ行くこともありません。たくさん学び、勉強した授業を受けることもありません。楽しかったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、全ての思い出が鮮明によみがえってきます。小さなことで笑いあえました。そして、その全てが今の自分を作っていると感じます。

私にとってはこれが一生の財産となりました。本日の卒業式をもって私たちは新たにそれぞれの道へと歩み始めます。皆が離れ離れとなることは寂しいですが、私たちはいつでも強い絆で繋がっています。離れていてもいつでも団結できます。それが佼成学園の、私たちの強さです。強く、正しく、かっこよく。新たなステージでも、この三年間で培ったもの、そして素直、謙虚、感謝の心を忘れずに全力で邁進していきます。
最後になりましたが、関わってくれた全ての方への感謝と母校の今後の更なる発展を祈念し卒業の言葉とさせていただきます。